「この薬剤は基礎的医薬品です」ってパンフレットが入ってたけど
「基礎的医薬品」ってなんだろう?
記事作成2020年8月現在に調べた内容です。今後概念が変わる可能性もあります
コンテンツ
1. 基礎的医薬品とは
「平成 28 年度薬価制度改革の骨子」
基礎的医薬品については、現行の不採算品再算定、最低薬価になる前の薬価を下支えする制度として位置付け、平成 28 年度薬価制度改革においては試行的な取組みとして、
下記の要件を全て満たす医薬品を対象とし、最も販売額が大きい銘柄に価格を集約してその薬価を維持することとする。
- 収載から 25 年以上経過し、かつ成分全体及び銘柄の乖離率が全ての既収載品の平均乖離率以下
- 一般的なガイドラインに記載され、広く医療機関で使用されている等、汎用性のあるもの
- 過去の不採算品再算定品目、並びに古くから医療の基盤となっている病原生物に対する医薬品及び医療用麻薬
なお、基礎的医薬品の制度によらず十分な収益性が見込まれる品目は対象外とするとともに、基礎的医薬品として薬価が維持されている間は継続的な安定供給を求めることとする。
古くから使われている薬剤で、利益が出しにくく販売中止になりやすいが、なくてはならない薬剤のことか
セファゾリン注が供給停止になって混乱していたが
セファゾリン注も基礎的医薬品か
- 基礎的医薬品の対象要件を満たす品目の薬価は、最も販売金額が大きい銘柄に価格を集約して、その薬価が維持されます。
- 基礎的医薬品の対象外となった品目の薬価は、対象外全品目の市場実勢価格の加重平均値で改定されます。
基礎的医薬品になった医薬品は先発医薬品でも後発医薬品でもなくなり、
後発医薬品調剤体制加算の計算式から除外されます
つまり元先発医薬品を使用しても、後発医薬品使用率は低下しなくなります
2. 基礎的外れ医薬品とは
当該既収載品と組成、剤形区分が同一である類似薬があり、汎用規格の当該類似薬が「当該既収載品の市場実勢価格の薬価に対する乖離率が、全ての既収載品の平均乖離率を超えないこと」の要件を満たさない場合については、該当する品目をひとまとめにして加重平均した額を当該類似薬の薬価(統一名収載)とすることとされました。(基礎的外れ医薬品)
基礎的医薬品になると薬価が上がる後発医薬品が、
納入価を下げて(薬価差益を大きくして)、
販売数を増やすことを防いでいるのかな
3. まとめ
「この薬剤は基礎的医薬品です」と宣伝していた理由は、
宣伝の元先発医薬品は元後発医薬品に変更しなくても後発医薬品調剤体制加算の算定に影響しないことをアピールするためだったんですね